山本五十六「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ。」
先日、ある友人と鍋パーティをしました。キムチ鍋だったっけな、いいですよね鍋。鍋をみんなでつついています。周りにはパソコンやサーバーが多く設置されていて、LANケーブルなどの配線が床を這っている。ここは、研究室。しかし、「異様なモノ」がたくさんある。カラフルな「それ」は、至る所においてあって、少なくとも10個はある。そう「ルービックキューブ」がたくさんあるんですね。なんだこれ?なんでこんなにあるの?。
私たちは、とある大学の情報学部生なのですが、大学には研究室というものがあるんです。だいたい1つの教室は2LDKのマンションの部屋を壁をなくして1つの部屋にしたくらいの大きさでしょうか。そこには、だいたい5~10人分の作業スペースが用意されていて、それぞれテーブルやPCなどが支給されています。代々受け継がれているものなんですよ。そうなんです、研究室には、それぞれの文化や風習があるんですよ。
私の研究室の話をしても、いいでしょうか?すぐ終わるので聞いてください。私の研究室は、現在5名ほどの学生がアクティブに研究しています。本当は6名なのですが、精神的に不安定な研究室仲間がいまして、ときたま現れて、担当の先生とお話して帰っていきます。去年の時点では、私の研究室の仲間は10名ほどいたんです。
しかしというか、やはりというか、経済的な理由や、身体的な理由、精神的な理由、あとは学力的な理由もあってか、現在は、よく大学にきているのは5名になってしまったんですね。実は、私の研究室は「問題」を抱えています。
私を含めたこの5名、情報の共有や伝達があまり上手くできないんですよ、私を含めて。情報工学系の研究というと、やはり卒業のための研究論文を書くために、プログラムを書いて実験を取ります。苦手な人も、もちろんいます。けれど最低限のプログラミングスキルが必要になってくるんです。
でも、研究というのは結構複雑なものでして、覚えなければいけないことが多くあります。大学生の学部生の研究のレベルは一般的に低いとされています。たぶんこれが原因です。時間が圧倒的に足りないです。遠くから一人暮らしなどで大学に通っている人は多くいますし、そういった人はアルバイトなどがほぼ必須です。
奨学金があるじゃないか!と思われるかもしれませんが、大学って結構高いんですよ、奨学金だけでは足りないくらいです。仕送りがない場合、週に3~4日はアルバイトなどをしてお金を稼ぎつつ、他の日に研究をすすめるスタイルになります。
そうなってくると、研究室に通って、なるべく多くの時間をかけて、多くの技術や知識を学びながら研究に活かすことが難しくなってくるんです。そして、定期的に行われる、研究の進み具合を報告する、いわゆるゼミ。これに参加するのが億劫になってきます。全員がその限りではありませんが。
ここでやっと、解決策の一つとして、情報の共有や伝達の重要性がでてきます。それぞれが別の知識や技術をみにつけ、それを共有すると、何倍ものスピードで覚えることができるし、なにより仲間と成長するのは楽しいものです。
例えば、ゼミで発表されるプログラムはWebサイトのようなもので、ブラウザで開いて見ることができます。しかし、デザインがそんなによろしくないんです。HTMLとかCSSといった、見た目を良くするための技術を勉強する時間が足りてないんですね。そこで、BootStrapというTwitterが提供している、簡単にデザインができるCSSフレームワークといったものがあります。これを共有しました、みんなすぐに使えるようになって、ゼミで発表するプログラムのレイアウトやデザインが綺麗になって見やすくなりました。
研究において、多くの場合は、「内容」が重視され、「見た目」はあまり重要ではありません。でもキレイな画面でする研究は、モチベーションが高まり、気分的にも充実感が合って捗ります。見ている方も見やすいです。
まぁこういった例があるんですよ。そこで、冒頭の鍋の話に戻ります。違いました、ルービックキューブの話に戻ります。
その友人の研究室では、ルービックキューブがとても流行っています。みんな数十秒で、ルービックキューブを揃えることが出来ます。異常です。ルービックキューブをぐちゃぐちゃにしてテーブルにおいておくと、いつのまにかキレイに揃っている現象が、いくつも確認されています。異常です。
誰が最初にやり始めたのか?、どうやって広まったのか?ルービックキューブって実は3×3のだけじゃなくて、4×4とか、13×13とかいうハチャメチャなものもあるのでしょ?とかそういうことが、気になるわけではありません。
その友人の研究室、みんな仲いいんですよ、マジで羨ましいくらいに。しかも情報共有や伝達がマジで早い、つうか過剰なくらいしている。ルービックキューブには、揃えるためのパターンがあって、そのパターンごとに、技があるらしいです。このパターンだと4つある。このパターンだと6つある。全部合わせると57個?あるらしいです。それを、1つ学んだら、え?なにそれ?どうやったの?おしえろよ!となって、研究室全体に広まっていきます。自然にです。
ここで、面白いのが、遊んでいるようにしか見えないし、楽しそうにしているようにしか見えないのに、これが実は勉強になっているんですよ。人間関係と、情報共有の勉強です。技を教えるのと、プログラミングを教えるのはほぼ変わりません。だからそういう共有もすぐにできちゃうんです。ヤバイですねこれは。尋常じゃなくヤバイ、遊び感覚で、仕事スキルも、共有できちゃう。
しかも、仲が良いのがさらにヤバイ。仲が良い人からの言葉って、聞いちゃいますよね。あいつが教えるならきっといいことだろう。あいつの話なら聞いてみようかな。そんな状況での情報共有は、高効率以外のなんでもありません。しかも、わすれようものなら、すぐにまた教えてきます。
やっとタイトルの説明をしますね。遅いですねめっちゃ遅い。
山本五十六という人がいるんです。詳しくは知りませんが、戦時中に、偉い役職についていたひとで、人を育てたりするマネジメントスキルに長けている人のようです。私はこの人の言った言葉の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやれねば、人は動かじ」というのを、小さい頃から歴史大好きな父親から聞いていました。
今思うと、かなりいい言葉ですね。教訓にします。やはり、すごいことをして教科書に乗ったりする、いわゆる偉人は、いい考えをお持ちですね。それでですね?
この「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」ですが、その友人がめちゃくちゃうまいんですよこれ。地でやってます。スーパー自然体です。ルービックキューブを見せてきて、布教し始めて、ニコニコしながら。それで私にルービックキューブを渡してきて、上の1面とその横の部分が揃うことを完全一面というらしいのですが、それができたら、もう揃えられるよ!と褒めてくるんです。思わず、ルービックキューブにハマるところだった!これはヤバイ。
ブログ記事とかと比べて、現実の情報共有では、表情などの文字以外のコミュニケーションがとれるので、こういったことが可能なのかもしれません。しかし、これどうでしょう。ブログ記事で活かせませんかねぇ。
まずはやっている何かを写真や文字でや図を使って見せます。
そして次に言って聞かせるんです。コレって、こんなに面白くて、覚えるとこんなにいいことがあって、ほんとやめられないんだよねー。と。
せっかくだからやってみる?こうやってやるんだよ、あーそれね、こうすればできるよ。ここでよく詰まるけど、ここを超えるとマジ楽しいよ!
え、できた?すごいじゃん!あと、こんな技もあるんだよ?できた?おぉ!
じゃあ、こんな本もあるんだよ、ルービックキューブの技が乗っている本。俺はコレ読んで技覚えたんだよねー(アフィリエイトリンクポチー)
どうでしょう。使えませんかねこれ。